子ども3人(5歳、2歳、0歳)を連れ、夫婦で伊豆下田に移住。
在来農法(化学肥料・農薬・除草剤不使用)での自給自足生活を営む。
下田では、農業と真摯に向き合い生活を何とか立てていく傍ら、小川茂年氏※や禅僧として有名な村上光照氏などを始め、世の中がバブルで踊る中で、お金に一切囚われず、「よく生きる」ことと真摯に向き合い続ける人々と交流をもつ。
こうした生活を、地域の人たちと支えあいながら続ける中で、体と心と自然環境の強いつながり、食が心と体に与える影響、「命あるものはこうやって育つ」という自然の摂理など、様々なことを自身の実感として得られるようになっていった。
また、このような環境で子育てをする中で、 「人間は自然の循環の一部であり、人間のままならない自然、他の生き物、植物と戯れ、共に生きることを通じて子供は人として大きく成長する」という実感をえると同時に、「子育てというのは『自然の一環である命と向き合う』行為であるのに、現代は人間に都合よく切り取られ、管理された社会で子育てが行われ、それゆえに難しさ、息苦しさが生じているのではないか」という疑問をもつようになる。
そうして下田での生活を始めて7年が過ぎるころ、昭代のもとに両親から「東江幼稚園と東江寺を継いでほしい」という話がたびたび舞い込むようになる。
※農業、食養、体の手当てに関しての専門家。著書に「「生きている-食物と生命の世界」