東江幼稚園の歩み

現在の当園の方針、あり方は、現理事長の浅井孝順、昭代(父は初代東江幼稚園園長)夫妻が、 「よりよく生きるとはどういうことか」 を追い求めて生きてきた人生を、色濃く反映しています。

ここでは浅井孝順、昭代夫妻の歴史を含む、園の歩みを簡単にご紹介いたします。

1970s:出版社勤務時代

出版社「柏樹社」に孝順が勤務。

柏樹社は、真によい教育を追い求め、私塾「一心寮(現:くだかけ生活社)」を営む和田重正氏の考え方を世の中に広めたいという思いから、中山信作氏が立ち上げた出版社である。

孝順は中山氏との縁から柏樹社に勤めた。

編集に関わった和田氏の著書「まみず」の冒頭は
『よい学校を作りたい。本当のよい教育のあるよい学校を作りたい』
で始まる。

和田氏や中山氏、柏樹社をとりまく人々の影響を受ける中で、
「よく生きるとはどういうことか」を自分自身の経験を通じて捉えたいという欲求が孝順の中で高まる。

昭代は一時東江幼稚園に携わるも、考順との結婚を機に、東江幼稚園から遠ざかり、子育てに専念する日々を送る。

1980s:伊豆での自給自足時代

子ども3人(5歳、2歳、0歳)を連れ、夫婦で伊豆下田に移住。
在来農法(化学肥料・農薬・除草剤不使用)での自給自足生活を営む。

下田では、農業と真摯に向き合い生活を何とか立てていく傍ら、小川茂年氏※や禅僧として有名な村上光照氏などを始め、世の中がバブルで踊る中で、お金に一切囚われず、「よく生きる」ことと真摯に向き合い続ける人々と交流をもつ。

こうした生活を、地域の人たちと支えあいながら続ける中で、体と心と自然環境の強いつながり、食が心と体に与える影響、「命あるものはこうやって育つ」という自然の摂理など、様々なことを自身の実感として得られるようになっていった。

また、このような環境で子育てをする中で、 「人間は自然の循環の一部であり、人間のままならない自然、他の生き物、植物と戯れ、共に生きることを通じて子供は人として大きく成長する」という実感をえると同時に、「子育てというのは『自然の一環である命と向き合う』行為であるのに、現代は人間に都合よく切り取られ、管理された社会で子育てが行われ、それゆえに難しさ、息苦しさが生じているのではないか」という疑問をもつようになる。

そうして下田での生活を始めて7年が過ぎるころ、昭代のもとに両親から「東江幼稚園と東江寺を継いでほしい」という話がたびたび舞い込むようになる。

※農業、食養、体の手当てに関しての専門家。著書に「「生きている-食物と生命の世界」

1985~:東江幼稚園時代

下田での経験から、「幼稚園を継ぐのであれば、ただ継ぐのではなく、この園が本当に人を育てる場、人の育つ場になってほしい」と考え、改めて幼稚園づくりを始める。

「自然から学ぶ」「しなやかな体づくり」「人とのかかわり」を大切にする3本柱とし、その理念に沿って制度改革を行い、今現在に至る。

1986年 裸足保育開始、草履の導入
1989年 父母サークルの設立、活性化
1990年 通園バス廃止
1994年 学校法人東江寺学園となる
1996年 現在の園舎完成
1998年 たて割り保育の導入
1999年 流山市に一反三畝の田んぼを借りてお米作り開始
2000年 保育での田植え、稲刈り開始
2004年 オイリュトミ―導入
2008年 園庭井戸掘削、孝順と昭代の長男、正信が園長就任
2009年 初代ツリーハウス完成(ツリーハウスクリエーター小林崇さん設計製作)
2020年 2代目ツリーハウス完成(Domahouse 金子徹さん設計)
2021年 園庭井戸2つめを掘削