知識よりも実体験を、スキルよりも心が動く経験を

成長をしっかりと支える、丈夫な根っこをつくる

幼稚園の保育時間はわずか5時間。
その短い時間の中で「何をやり、何をやらないのか」に園の教育方針が強くでます。

当園はひらがなや算数といった知識を教え込むことを「やらない」こととし、その分、実体験を積ませること、心動く経験を多く重ねてもらうことに、じっくり時間を割くようにしています。

例えば運動会の年長リレーは、夏前から準備が始まり、「作戦の話し合い→練習→実践→作戦の練り直し」といったサイクルを日々繰り返していきます。

話し合いは時に意見の衝突、行き詰まりといった局面を迎え、とても時間がかかります。

その時間でひらがなの練習をすれば、いくつかの文字がかけるようになるかもしれません。

でも、当園はあえてこの話し合いに時間を使います。

それは、字が人より少し早く書けるようになることよりも、
・発言するドキドキを感じること
・自分の考えを伝え、分かってもらいたいと思うこと
・他人の話を聞いて、分かろうとすること
そういった心動く経験の積み重ねが、これから大きく成長していく彼らを支え、生きる力となっていくことを長年の保育の経験の中から実感しているからです。

知識やスキルは大人からみてわかりやすい成果かもしれませんが、多くの実りを得るためには豊かな土壌、深く発達した根っこの形成が必要であり、この幼少期はそのために十分な時間と労力をかけていきたい、それが東江幼稚園の思いです。

調理活動も、薪割や竈の火起こしからはじめます。

白玉団子作りも、大人が水と粉の分量を教えることはせず、子どもたちが相談しながら、自らの感覚のみをたよりに作り上げます。失敗も次へつながる学びとなります。